先日のセラピークラスにて。
頑固な便秘に悩む方がいらっしゃいました。
「不眠、気分の不安定、関節痛などは大丈夫ですか?」
とお聞きしたところ、その全てに当てはまっていました。
これはアーユルヴェーダでいうところの、典型的なヴァータ疾患です。
便秘を治すというよりも、ヴァータをバランスさせる意識で生活を整えたら、その他の不調の全てが改善される可能性が大きいと思います。
●アサナ
パワンムクタアサナと呼ばれるアサナグループの「消化・腹部」シリーズより3つのアサナを紹介します。私はこれらのアサナを積極的に取り入れるようになって、健康と瞑想の質が格段に向上しました。一つ目の「スプタ パワンムクタアサナ」は、睡眠や脳の健康のためにと、医学誌にも紹介されたそうです。
これらは比較的やさしいアサナではありますが、効果は絶大です。できるだけ指導者について練習してくださいね。
・スプタ パワンムクタアサナ(ガス抜きのポーズ)
腰の筋肉を鍛え、背骨を緩めます。腹部や消化器官をマッサージし、ガスや便秘解消を助けます。会陰の筋肉や生殖器のマッサージにも、不妊や月経の問題にも。
完全に息を吐き切ることと、みぞおちを内に入れていくことが重要です。このポイントが甘いと目的に届かないかもしれません。
★吸う息でおでこを膝に:便秘解消/ 吐く息でおでこを膝に:腰痛に
・スプタ ウダラカルシャンアサナ(寝ながら行う腹部ストレッチ)
腹筋と内臓にストレッチを与え、消化を促して便秘を解消します。背骨の筋肉をねじり、緊張や凝りを取り除きます。臀部と足の距離によって、ねじれる背骨の位置が変わります。足と臀部が遠ければ、ねじれの位置は背骨の下部になり、足と臀部が近いほど、上部へのねじりとなります。足の位置を少しずつ動かしながら何度か行ってみてください。膝はつけたまま、また、肩と肘はマットに下ろしたままで行うようにします。
・シャヴァ ウダラカルシャンアサナ(背骨全体のねじり)
腰の凝りやだるさを除くとともに、内臓がマッサージされて整います。
★足裏を反対の膝から離して行うと腹部に働き、つけたまま行うと腰痛に働きます。
これらのアサナを行うときは、
・動き・腹内の圧力・筋肉の伸び・呼吸
に意識を向けてください。
●その他生活
便秘が続くことにより、腸内にガスが発生し、ガスはその性質上、上方面へと上昇します。脳にまでガスが溜まり、頭痛や肩こりを引き起こしたり、ネガティブな思考に陥ったりします。
本来のヨガの目的である瞑想も集中が続かなくなるため、ヨガの実践には便秘を解消しておくことは不可欠なのです。
アサナ以外で生活に取り入れやすい便秘解消法に「白湯」が挙げれられます。
「白湯」は、沸かした水(お湯)のこと。
理想は土鍋で、電気ではなく火にかけて、15分ほど沸かします(風を入れる)。
それにより、土、水、火、風、空間というアーユルヴェーダで重要とされる五要素がすべて入った飲み物となります。
難しければさっと沸かしたものでもいいし、火がないならばキッチンに赤いものを多用すると良いそうです。
白湯は便秘解消以外にも素晴らしい作用がたくさんある飲み物なので、ぜひ習慣化してみてください。
まずは朝1杯。試してみてくださいね。
お腹や足裏にたっぷりとオイルを擦り込むのも良いと思います。
太白ごま油がおすすめ。
ヴァータ体質のバランスには、関節回し、バランス系ポーズ、片鼻呼吸法なども役立ちます。
日本人の私たちはヴァータ・ピッタ体質の人が多く、また、どんな体質の人でもまずはヴァータを整えることが大切ですので(ヴァータは他のドーシャも動かしてしまいます)、普段のレッスンでもヴァータバランスを一番に考えて構成しています。
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